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2010年 01月 19日

桃青にとっては皆目見当が付かない大きな集団の流れの中に、才次郎達の名が見え隠れし、それが才次郎であるかと思うと藤四郎であったり兵四郎であったりする。これは藤原氏の名を使った後藤集団の流れなのかと思ったりもする。現に、加賀で名を刻む才次郎は、藤原朝臣後藤才次郎と使わず、藤原朝官後藤才次郎と名乗っているのだ。つまり、俺は単なる前田家の臣ではなく、徳川家の官をも兼ねているのだと云わんばかりの態度であった。
才次郎の語る闇の世界は桃青にとっては無縁のものでなければならなかった。今の彼の立場は一流の俳諧師への道だけであった。
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by hirai_tom | 2010-01-19 00:32

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