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2010年 01月 13日

彼らの焼き物の中には想像を絶するものがあった。桃青が初めてその皿に接した時、雷に打たれたような衝撃が走ったのを覚えている。
 今では、その衝撃は薄らいではいたが、時折見る皿の中には、ある種の恐怖を感じる時があった。それはいつの間にか桃青の感覚の中に興味として芽生えてきていた。
 自分には物に対するこれ程の細やかな観察力は無い。彼らの捉える造化は確実であり、それぞれ生き生きとしている。桃青は機会があるごとに彼等の皿々に触れ、心を落ち着かせじっくりとそれらをみる事によって何かをつかもうとしていた。いくつかの大皿の中には度肝を抜くような紋様があり、異様な世界が展開していた。神仏を強く感じさせるものもあった。現実の細やかな縁取りの表現は、見込みの中の別の世界を充分に効果づけ、現世と浄土が共存していた。そこには、心の奥底に潜む部分に入り込む感性があった




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by hirai_tom | 2010-01-13 11:22

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