13-3   

2010年 07月 14日

にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
(↑ポチッと)
さて、大聖寺城下、全昌寺に宿した曽良は朝餉を済ますと、権十良の案内で藩主の菩提寺である実性院の歴代藩主の墓を訪れた。(此の一帯は現在、山ノ下寺院群と呼ばれ、熊坂川に沿うように実性院・蓮光寺・久法寺・全昌寺・正覚寺・宗寿寺・本光寺・加賀神明宮白山宮と並ぶように在る。)
実性院は全昌寺の目と鼻の先に在った。院の左方の藩士の墓に沿って坂道を登る。路の脇には家老神谷内膳寄進の灯籠が並んでいる。
「織部灯籠ですかな」
「其の様です。中程に膨らみが見えます。」
「マリア像は彫られては御座いません。」
 階段を登りきると、頂が広場と成り、見事な墓が並んでいる。
「此れは参り申した。まるで、天主が並んで居る様で流石、前田家で御座いますな。」
「高岡の二代利長公廟所・金沢 野田山の本藩の歴代墳墓と云い、加賀藩主の祖先への気持ちは並みでは御座いません。」
「左様ですな。道すがら何れの廟所も拝見致しましたが、其々に想いが感ぜられます。」
「殉死した家臣達の墓も添うように、中沢・小沢・小栗何某と在る。」
「利治公の亡くなられた時の例の一件か」
「公の死にも謎が多く、吾が才次郎も駆け付けたが、面会は叶わなかった。」
「さて、又降って参りましたな。」
「神社の方も幾つか拝したいのだが」
「最もで御座いますな。左様に致しますか。」



 
[PR]

by hirai_tom | 2010-07-14 11:51

<< 13-4 13-2 >>