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10-12   

2010年 05月 28日

「左様か。女子の手に成る物か。さる方の御屋敷にて拝見の機会を得る事が出来たが、赤が基調の頗る美しきものであった。」
「加賀からの援助も当然致しておりましたが、独自の物を生み出す必要がありましてな。」
「お主等には謎が必要と云う事か。柿右衛門家の秘文書で、“初代と加賀藩には何らかの関係が在った事”又、“先代等に対して親柿右衛門の儀と記して有る事から、残された母親による系譜”が想像されるが、記憶は何時の間にか闇の中にと云う事か。お主等、後藤家の御役目には頭が下がりますな。」
「はい、是も全て、加賀様が有っての事。京の文化を北陸の地に開花させられました。中でも“九谷やき”は、未だかって否、此れからも比類の無きものと云えるでしょう。」
「あの独自の色使いは、正に、此の地の生活から生まれ得たものと言えよう。」
「はい、その深くて暗い山里の森・川、どんよりと曇った空・海、これら北陸独特の重苦しさを表現する為の顔料(緑・黄・青・紫・赤)は全て、奥山方で得る事が出来ます。父は、その暗く観える生活の中にこそ美が潜んでいると。一瞬差し込む陽光・しんしんと積る雪の白さ・その雪溶水の流を、より美しく感じ捉えていました。」
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by hirai_tom | 2010-05-28 03:24

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