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10-3   

2010年 05月 09日

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「左様ですな、曽良とこうして“同行二人”の旅を続けて参りましたが、目的とした”伊達“”前田“両家の探索も目安が付き申した。近々、前田様も“御三家”と同格の御立場に成られます程に、そろそろ加賀での探索も此の辺りが潮時かと。其処でじゃが、今後“加賀後藤”は鉱山・貨幣鋳造からは徐々に撤退と云う立場をとることになるだろう。」
「左様、所変われば品変わるでな。かって、再従弟の才次郎定次も表向きは罪人(籐丸籠送り)として加賀を去り、“姫谷”で市右衛門として再び南京焼をな。」
「それでは、お主の父君、権左右衛門はどの様に。」
「藩主利治公が没し、利明公に代わられますと、才次郎忠清と共に肥前に出向き、倅の二代柿右衛門を加賀の地へ招聘し、その後の消息は不明と云う事に。後、京で没しております。」
「お主の父君、後藤弥三右衛門は、田村権左右衛門・初代酒井田柿右衛門(喜三右衛門)・後藤宗家顕乗でもあり、その立場々々で遺憾無く才能を発揮なされたが、是は後世、謎が謎を呼ぶ事になり兼ねませんな。去れど、面白きことに、左様でなくては御主等が存在する意味も無いからな。」
「師匠。後藤様には」
“やまなかやき九は手折らじ湯の匂”と芭蕉翁は書き留めた。
「“手折らぬ”と記した方が良かったかな。」
「山中の奥で後藤が焼いている“九谷やき”には特にお咎めは無し、と云う事で御座いましょう。」
「左様、九谷鉱山に関する風評は様々。さるお方にも伝わっております。彼の方には書面にて、控えは桃妖に預けて置きました。」
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by hirai_tom | 2010-05-09 01:04

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