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2010年 04月 20日

桃妖も負けじと
「それでは、発句に当たっては、どの様に臨めばよろしいので御座いましょうか」
「左様じゃな。発句は云わば大将と云う処じゃ。左様でなければ巻頭にたらず。脇の句は発句と一体であるから、別に趣向奇語を求めず、唯発句の余情を汲むようにな。さあて、平句じゃが、平句には平句の姿がある。此処は、士卒の働きなくしては役には立つまい。」
「御師匠、納得のいく事ばかりで御座います。至らぬ吾等に御座いますが、教えを肝に銘じ精進致します。」
「どうでしょうか、今夜はこの位と致しましては、御師匠もおつかれにございましょう。」
「左様で御座いますな、随分と今夜は得る事が御座いました。今日の事は大事に書き留めて擱きます。」 北枝は後に「山中問答」として芭蕉の言葉を書き留めている。
「河合様、明日は是非、道明ヶ淵へ」
「左様に致しましょう。」

by hirai_tom | 2010-04-20 06:19

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