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2010年 03月 03日

「そう言えば、北枝から聞いたのだが、あの、山人の句じゃが」
「あ、はい、おはずかしい次第です。”山人の昼寝をしばれ蔦かつら“で御座いますか。」
「此方の生活が感じられた良い句じゃが、山人を縛るは“葛”のほうが良いのでは。」
「はい、御師匠の御句には度々葛がみられますが、当地は蔦が多く御座います。蔦には、ほとほと悩まされて居ります故。」
「曽良、これは一本取られましたなあ。若くして中々の御当主で義兄様も御安心御安心、立派な自笑の跡取りと成りましょう。」
「はい、加賀には、一笑・ゝ笑・自笑と在りますので、そろそろ久米之助にもと思っております。」
「明日は、此方の方々も御集まりだそうですな。俳名は、私に思うところが御座いますから、その時に成されては如何かな。」
「それは、願ってもない事で御座います。よろしく御指導の程、願い申します。」
「さあさあ、いつの間にか午の刻が過ぎてしまいました。何せ山里で日の暮れも早よう御座います。ここは早々にお食事を成されて街中に繰り出す事といたしましょう。三薬師の医王寺様にも御報告致さねばなるまい。」
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by hirai_tom | 2010-03-03 01:22

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