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2010年 02月 26日

北枝は曽良の動向がどうも気になるらしく、部屋から飛び出してきた。
 「どちらにお出掛けで御座いましたか、御身体がすぐれないとお聞き致しておりましたのに。」
 「これはご心配をお掛け致しました。薬草探しで随分と手間をとりました。御蔭で腹痛も忘れるほどでな、昨夜のだら長湯が効いたようですわい。御師匠の持病も逗留されれば効果もございましょう。」
「御当地は、山並みが迫って霊気にあふれている。その上、湧き湯が正に名湯と言える。湯上がりで未だに身体が火照っているようだ。曽良の言う事も一理あるかのう。さあ、それよりも自笑様がお待ち兼ねですよ。」
「これは河合様、御噂はかねがねお聞き致しております。はじめて御目にかかります。久米之助の義兄、出蔵屋自笑に御座います。」
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by hirai_tom | 2010-02-26 01:55

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