4-9 「古九谷」 余滴  ①-①   

2010年 02月 21日

                 1992.9.11 (中日ホームニュース掲載記事より)    
河原のグリ石が山腹に沿って段を造り「く」の字形に階を成している。谷水が山草の間を縫うように走り、苔むしたその石段が歴史の深さを感じさせる。「く」の字の中程で湧水をすくう。子どもらは待ちきれず走り出した。逸る心で段を登り詰めると、古びた社が“ようござらした”と迎え入れる。
私は「古九谷」への思い入れも手伝って九谷の三柱神社が好きである。初めてこの神社の階段を登ったのは、昭和59年の「古九谷修古祭」であった。木々の間から古窯跡の稜線がくっきりと見え、小奇麗な雰囲気が里人の手で演出されていた。江戸時代初期、才次郎や権左右衛門達が、この場所で燃え上がる炎をじっと見つめていたに違いないとその時思った。                             (つづく)   
        
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by hirai_tom | 2010-02-21 22:38 | 余話

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